「キースロッジのゲストブック・・・」
悲しみも、喜びも、感動、落胆も、
つねに素直に味わうことが大事だ
本田宗一郎
オーロラの旅、最終日。5日間連続のオーロラを見ていると突然、遠くで花火が上がり隊員たちは大はしゃぎ。興奮して騒いでいると、そこへ流れ星が落ちた。今まで見た中で、一番長い流れ星。ドラマにしちゃーできすぎてる。
部屋に戻ってキースロッジのゲストブックをペラペラとめくると、昨年、最後のメルマガに書いた
癌で亡くなった隊員ヒロのメッセージが目に留まった。
力強く生き生きとした文字で「Thank you!」って書いたあった。
彼女の泣き顔や笑顔がフラッシュバックしてきて、オレは涙を抑えることができなくなった・・・。ひとり泣いた。今回の旅でこんな奇跡のような旅ができたのも、彼女の見えない力が働いたのかも知れない。そんなふうにも思えた。オレはゲストブックに「ヒロ、ありがとう」と書き込んだ。
ヒロと個人的に交わした最後のメールは2006年5月、今でも大事にとっている・・・。「闘病生活の中で読んだオレの本に勇気づけられた」と感謝の気持ちがしたためられていた。勇気づけられたのはオレのほうだった。
ヒロは、オレの心の中で生き続けている。力をくれてありがとう。笑顔をありがとう。ヒロと約束する。笑顔を待っている人のためにも、オレは一瞬、一瞬を生ききるよ。
今回ほど心の中で「ありがとう!」と繰り返した旅はなかったように思う。すべては繋がっている・・・。
人は ひとりで
生きているのではありません。
まわりにいる
おおぜいの人たちとつながって
ささえあう輪の中で
生きているのです。
だれひとりとして
意味のない人は、いない。
だれひとりとして
価値のない人は、いない。
ひとりひとりが
なにかの役割になって
人のささえあう輪の中に
生きているのです。
『口で歩く』
丘修三(著)